絵もお話の展開も素晴らしい「この世でいちばんすばらしい馬」を紹介します。低学年から十分理解できる内容ですが、学校での読み聞かせの場合、特に高学年におすすめしたいです。
この世でいちばんすばらしい馬は、「ウェン王子とトラ」で有名なチェン・ジャンホンが手掛ける、8世紀の中国に実在した画家、ハン・ガンとその絵に着想を得て創られたお話で、約26×32cmの大型絵本です。
ドイツ児童図書賞・産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞 天才絵師の描く馬は、絵から飛びだし生きて動き出す、という噂があった。いくさが都にせまったとき、一人の武将が絵師を訪ねて、軍馬の絵を頼むが…? 絵から生まれ、いくさの真実を目にした馬の、心にしみる物語。
徳間書店 この世でいちばんすばらしい馬 より
ハンガンと同じ手法を使い、絹地に墨と絵の具で描かれた絵は、馬の息遣いや蹄の音まで聞こえてきそうなぐらい躍動感にあふれ、どのページも見開きを使ってダイナミックに描かれているので繊細でありながらも迫力満点です。
勇ましい武将や力強い馬の姿に、息をのんで引き込まれている子も多く、終わった後も余韻に浸れます。1ページあたりの文章量も多くないので、ゆっくりとページをめくり絵をしっかり見せながら読み進めると、だいたい8分ぐらいで読み終わります。
絵画作品としての完成度の高さと、悲しくも美しいお話が心に響く傑作です。
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